摂取カロリーを減らし過ぎると反応速度が遅くなる

〜この記事は、米国LPI社のヘルス・リサーチ・レビューを翻訳したもの抜粋です。〜


摂取カロリーを減らし過ぎると反応速度が遅くなる

 サンフランシスコにあるUSDAウェスタン・ヒューマン・ニュートリション・リサーチ・センターの研究者たちは、体重オーバーしている14人の女性に対し、現状の体重を維持するのに必要なカロリーの半分しか食べさせないという、厳しい食事プランを実施しました。15週間後には、どの人も平均27ポンド痩せましたが、このダイエットを始める前にくらべて、全員が、明らかに、刺激に反応するのにひどく時間がかかるようになってしまったのです。反応速度の測定は、ひとりひとりの女性に対し、コンピュータの画面に白い星が現れたのを見たらすぐスペース・バーを打つように指示した上で、星が表示されてから実際にバーが打ち込まれるまでにかかった時間を計る、という方法でおこないました。

 この結果が示唆しているのは、低カロリー食を摂っていると、たとえば前を走っている車が急ブレーキをかけた場合などの緊急時に、とっさの反応をするまで時間がかかるのではないか、ということです。もうひとつ気になるのは、食べるもののカロリーを増やしても、反応速度はすぐには元にもどらないようだ、ということです。サンフランシスコのこのグループでは、低カロリー食を打ち切ったあと、3週間たっても、反応速度は遅いままでした。

 体重を減らそうと努力している人は「どこまでカロリーを減らしていいのかを決めるにあたっては慎重でなければならない」この研究の主任研究者であるメアリー・クレッツ哲学博士は、そう述べています。

(タフツ大学ヘルス&ニュートリション・レター 第15巻第6号より)



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