ビタミンC について、のつづき


ビタミンC について、のつづき

 またまたビタミンCにいてですが、酸化型ビタミンCとは、身体の中で酸化(つまり電子の移動)されてしまたものです。抗酸化作用があるということは、自分が酸化されて相手を安定な状態にすることです。

 抗酸化作用として働いたものはビタミンCに限らず酸化してしまうのです。

 ビタミンEも抗酸化作用がありますが、抗酸化の働きをしたものは酸化されます。

次にビタミンCがビタミンEを還元する代わりにビタミンCが酸化され、ビタミンEはまた抗酸化作用をする事ができるようになるわけです。

 酸化したビタミンCは一般にはグルタチオンやシステイン、などのチオール化合物というもので還元されますが、安全に還元されないものは、正常な細胞を構成している物質を酸化させてしまうこともあり得るわけで、この働きだけを見ますと「悪者」の顔もあるということになるのです。

 これは98年のネイチャー誌に500mgのビタミンCを摂取したときに血液の中のリンパ球のDNAを損傷した(酸化損傷の1つの目安の8オキソアデニンが増えていた)とする記事から来ていると思いますが、所要量50mgの10倍である500mgの量を摂取しても血液中のビタミンC濃度は1.6倍にしかならず、この程度のわずかな変動量でDNA損傷などあり得ないというのが現在の常識です。しかもいくらビタミンCを摂取しても血液100mlあたり3mgを超えないと言われています。



ビタミンCの代謝

 ビタミンCは体内では、まず還元型であるアスコルビン酸モノアニオン(1価の陰イオン)として存在しているようです。これは、活性酸素や3価鉄イオンや2価銅イオンに酸化されて、つまり抗酸化作用をしてアスコルビン酸ラジカルになり、さらに水酸化(OH基と結合)してモノデヒドロアスコルビン酸ラジカル、さらにデヒドロアスコルビン酸という酸化型ビタミンCになるようです。モノデヒドロアスコルビン酸ラジカルは、モノデヒドロアスコルビン酸レダクターゼという酵素でまた還元型のアスコルビン酸になることもあるようです。酸化型のデヒドロアスコルビン酸はグルタチオンやシステインなどで還元され還元型のアスコルビン酸になるという一連の酸化還元サイクルを構成するようです。


 この他、ビタミンCはさまざまな代謝の課程で、2,3-ジケットグロン酸からキシロン酸、リキソン酸、スレオン酸、シュウ酸などに、また未知の中間産物からサッカロアスコルビン酸、3-O-メチルアスコルビン酸などなどに、または、アスコルビン酸-2-硫酸などといったものに姿を変え、最後は用済みとなり尿から排泄されるようです。一部はビタミンCのまま膀胱に行きますが、これはこれで、膀胱内でのニトロソアミンという発ガン物質などの生成を抑える、または尿路感染症を防ぐ、さらにはアルカリ性尿でできやすい結石を防ぐという働きもあります。決して無駄では無いのです。吸収されないで小腸から大腸に行ったビタミンCもまたニトロソアミンの生成を防ぐ働きや、乳酸菌を元気にするといった働きもあり、これも決して無駄ではないのです。


 これらの代謝で使われるビタミンCの量は、食事からのみ摂取している人は体内に約1500mgほどのストックがあり、その約3%、つまり50mg程度ということです。

 一方、サプリメントにて充分に摂取している人は、体内に約4500mgほどのストックがありますが、その約6%程、つまり300mgほどが使われているようです。

 ビタミンCは生体を守る40以上もの働きをしていますが、たくさん働いてくれた方が身体のために良いはずです。水位の高いダム(体内ストックが多い)では充分に発電できますが、水位の低いダム(体内ストックが少ない)では、充分に発電する事ができないと状態を考えると分かり易いと思います。




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