ストレスがガンに悪い訳


 ストレスを受けると、人体は副腎皮質ホルモンのなかの抗ストレスホルモンである、コルチゾールというステロイドホルモンを出します。

 免疫機能のなかのNK細胞(ナチュラル・キラー細胞)には、このコルチゾールの受容体があり、このコルチゾールを受け止めて、今度はNK細胞が死んでしまいます。

 NK細胞の働きは、ガン細胞やウイルス感染細胞を見つけるとパーフォリンというパイプ状の物質をそれらの細胞に突き刺し、細胞膜を穴だらけにして殺してしまう作用があります。NK細胞は骨髄のなかの基幹細胞から成長しますが、このとき、ビタミンAやB6、B12などが必要になってきます。



 ストレスホルモンであるコルチゾールは、せっかくのNK細胞を無効にしてしまう働きと、これらストレスホルモンが作れられるときは、活性酸素が多くできてしまうということもあり、ガンの発生、増殖、転移に貢献してしまう、という事にもなり得るようです。



 ステロイドホルモンが治療に有効な病気も多くあるようですので、広く使われているようですが、NK細胞を増やす事を考えて、対処して行きたいものです。

 笑ったり、笑った顔をするだけでも、NK細胞は増えたりするようですので、眉間にしわを寄せたぶっちゅうずらの上司に言ってあげるのも良いかもしれませんね(^^)。



ガンの転移について。


 ガンと活性酸素の関係は今更述べるまでも無いと思いますが、ガンの転移についても深く関与してるようです。



 ガン細胞は、見た目がでこぼこです。これは、細胞膜の中にある細胞質は網目構造をしており、細長いチューブ状の微小管が柱状になったりやアクチンフィラメントという繊維状のタンパク質が綿のようにつまっています。このアクチンフィラメントなどが緻密なほど細胞の形は安定していると言えます。細胞がガン化するとこのアクチンフィラメントの結合が壊れてバラバラになってしまい外見上もでこぼことなるようです。この原因に活性酸素が深く関わっています。

 アクチンフィラメントは、細胞膜の表面にあり細胞と細胞をつなぐ働きをもつフィブロネクチンを受け止めるフィブロネクチンレセプター(受容体)につながっているため、アクチンフィラメントがバラバラになると細胞同士がつながっていられなくなります。

 一頃話題になったインターフェロンですが、フィブロネクチンが消えてもこのインターフェロンのおかげでまたフィブロネクチンが再生されることもあるようです。インターフェロンの生成にはビタミンCが必要ですから、ビタミンCはこの意味でガン予防になるようです。



 ガン細胞は、はじめは正常な細胞が活性酸素などの攻撃で、傷つけされるために発生しますが、ほとんどのガンがはじめにできる上皮細胞は基底膜を足場にしてそこにくっついています。基底膜は結合組織の上にあるわけですが、結合組織や基底膜は細胞外マトリックスの一部であり、皮膚で言えば表皮が上皮細胞で表皮の裏側の真皮が結合組織ということになります。この細胞外マトリックスはご存じコラーゲンが主成分です。コラーゲンは3本の繊維がより合わさったひものようなもので、何種類かの「型」があるようです。ただのひも状の普通のI型コラーゲン、基底膜のコラーゲンは両方の端にプロテオグリカンというタンパク質の分子が付いているIV型コラーゲンというそうです。さらにIV型コラーゲンには「ラミニン」というタンパク質が付いています。コラーゲンの三つ編み構造はビタミンCによってのみ作られます。基底膜のコラーゲンが4本先のほうだけが結合してX字型のコラーゲンとなり、これが網の目のようにつながっているのが基底膜の構造で「スパイダーユニット」と呼ばれます。細胞(上皮細胞)の表面にあるフィブロネクチンはコラーゲンに結合しやすい性質のため細胞は基底膜のIV型コラーゲンに付いているわけです。

 このフィブロネクチンは細胞膜や血液中にもあり血栓を捕まえたり、細菌を捕まえたり血管にできた傷の補修などにも作用するようです。



 ガンが転移するときは、ガン化した細胞膜に付いていたフィブロネクチンがなくなり基底膜からはがれます。そして血管やリンパ管など循環器系に入り込み人体を移動し、さらに流れ着いた先でも血管やリンパ管に穴をあけ外に出なければなりません。 ここで、血管やリンパ管に入り込むには、そこに穴をあけなければ通過できないわけですが、いままでくっついていた基底膜であるIV型コラーゲンを分解しするものは、もともとコラーゲンにくっついている「コラゲナーゼ」というタンパク質分解酵素が働くからです。しかし、通常働いていないのは、IV型コラーゲンにはコラゲナーゼを抑制しているIV型コラーゲナーゼインヒビター(IV型コラーゲン分解酵素抑制因子)がくっついているから、コラゲナーゼの働きを抑えているからです。

 正常な状態はこのように、コラーゲンにコラゲナーゼさらにコラゲナーゼインヒビターがくっついている形で存在しています。ここでそのバランスを壊すものが、活性酸素です。活性酸素によりコラゲナーゼインヒビターが攻撃(電子の受け渡し)を受けるとコラゲナーゼインヒビターが壊れてしましコラゲナーゼが働きだし、IV型コラーゲン(基底膜)を分解してしまうことになります。こうして初めて、ガン細胞は「血管やリンパ管の中に侵入するわけです。流れついて先でも同じ事がおきなけば、「転移」はあり得ない訳です。

 つまり「転移」までには、1.基底膜を離れる、2.血管やリンパ管に侵入する、3.再び血管の外に出る、4.どこかの基底膜にくっつくという段階がありますが、ここまで到達するのはガン細胞の全体の1万分の一ほどしかないそうです。

 IV型コラーゲンが分解されるときは、活性酸素が作用していることがわかり、またガン細胞自身でもコラゲナーゼを分泌しているとも言われています。

 IV型コラゲナーゼインヒビターは血液中にも、さらに尿にも含まれていまるようですから、かなりたくさん人体内にはあると推測できます。ですが、活性酸素にであうとこのインヒビターは働きを失ってしまいます。



 転移したガン細胞は、そこで増殖を始める訳ですが、このとき細胞分裂の栄養分を得るためにガン細胞は自分の周りに血管を作りはじめます。この毛細血管は脆弱ですぐに穴が開きやすく転移をさらに容易にしてしまいます。IV型コラゲナーゼインヒビターはガン組織が毛細血管を作るのを妨げる効果もあるようです。



 転移性のガン細胞は「nmタンパク」というタンパク質を作る遺伝子がなくなっていたり、働かなくなっているようで、逆に「nmタンパク」を作る機能があるガン細胞は転移しないそうですが、「nmタンパク」を作る遺伝子に攻撃するのも活性酸素でるとする考えもあり、この意味でも、活性酸素対策は必要になってくると思います。

 活性酸素やラジカルなどの強い求電子体は、一部では生体での反応に使われたりしているのも事実です。しかし余った活性酸素を除去するSOD、カタラーゼ、グルタチオンペルキオターゼなどが不足してくる年代(40才でピークの約半分)以降では、それらの酵素の原料となるミネラルの摂取、ビタミンAやCやタンパク質の摂取で細胞の保護などをしていく必要があると思います。

 SOD様作用栄養素として、普段の食品にもいろいろな物が含まれています。

日本のミカンにのみ含まれている、ガン予防物質も見つかってきています。

赤ワインも健康ブームで売れ行き好調だそうです。

確かにフランス人の虚血性心疾患による死亡者の割合は、アメリカの約1/5ほどでおそらく世界一低いと思われます。さらに赤ワインの産地での高齢者の割合では全フランスしめる割合よりも、高齢者ほどその割合が高いことが分かっています。



 これらの原因とも言える物質が「OPC」と約されるもののようです。

 このOPCは、日本でも長崎大学におけるフリーラジカル研究においてビタミンEの40倍ものFRSE(フィリーラジカル補足効果)があることが証明され、OPCはアメリカにて特許を取得しています。

OPCの効果は、FRSEばかりか、コラーゲンの生合成を促進する効果もビタミンCの効果を強力に補足することにより高められ毛細血管保護にすばらしい効果があるそうです。OPCを含むピクノジェノールが「飲む化粧品」といわれるのもこのためです。その他、病気のおよそ90%もが活性酸素と関係しているということですので。OPCの効果は、はかりしれないものがあるように思います。



 ビタミンCおよびビタミンPを発見したセント・ジェルジはビタミンCの父とも言われていますが、彼曰く、「ビタミンCはその必要量からいってビタミンではなくただの栄養素である」とも言っていたようです。しかもビタミンP(当時はシトリン)こそ、本当のビタミンであると言っていますが、ビタミンPの父とは言われなかったようです。これは、その当時ビタミンP(シトリン)の本当の効果がうまく試験できなかったことによることがあるようです。ある物質の効果を確認するためには、その対象となる物質を完全に分離し、供給量をコントロールしなければならないですが、

シトリンの他の、「未知の物質」がビタミンPの効果をしてしまっていたため、うまく試験できなかったようです。その未知の物質こそが、ブドウの種や皮、ピーナツの薄皮、その他植物に比較的広く存在する「OPC」であったと思われます。

 OPCは(オリゴメリック・プロアンソシアニジン)と呼ばれるもので、最近よく耳にするアントシアニンに変化する前の無色の水溶性物質です。カテキンやタンニンの兄弟で、その中間に位置する物質です。これこそが、体内でも最も高い生理活性を有するものであることが分かったのは、フランスのジャック・マスケリエ博士の偉業とでも言えるものです。彼の一生を通じての研究はこの「OPC」が世に出ることができたことにより、報われるものと思います。フランスでは、この高い効果が認められ医薬品として認定されているようです(医薬品にされてしまったと言うべきか?)。



 この「OPC」は、決して大げさでなく20世紀における偉大な発見とも言えると思います。そして、今、誰もがこの「OPC」を自由に積極的に摂取できるのです。これは本当にすばらしいことだと思います。もし多くの方々がこの「OPC」を利用するとしたら、フランスの場合かそれ以上に、虚血性心疾患の患者を減らすことができ、さらにガンなどの深刻な病気、糖尿病、高血圧といった成人病の患者の数をかなり減らすことが可能になるのではないでしょうか。




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