活性酸素と健康

  21世紀の生体防御物質「 OPC



 どなたでも、ある程度は「健康」に気を付けていると思います。

 当然ですが、若い人より年齢が上になるほど「健康」に対して敏感になってくると思います。 若いときには病気一つせず元気であっても、40歳を過ぎれば、そろそろ動脈硬化による高血圧や心臓病、糖尿病ガンなどの成人病(生活習慣病)のリスクが高くなってくるのが現実です。

 これに対する対策としては、「定期健康診断」が一般的ですが、これは、何らかの異常が見つかってからの対策ということになります。


 中国では古くから医食同源という、医療と食事は同じ次元のものであるとする考えがあり、健康維持において食生活は最も重要視されています。漢方薬も自然界に存在する天然の成分により、人間の免疫力を高め病気を治そうとするものです。その漢方薬の成分は亜鉛やマグネシウムなどのミネラルが豊富なことが判明していますし、さらに特筆すべきは「活性酸素」をとり除く成分が多く含まれているということです。

 ビタミンやミネラルなどの必須微量栄養素も、もちろん非常に大切です。しかし、ここでは、まず万病の元としての「活性酸素」について注目したいと思います。

 「活性酸素」とは、酸素自体、あるいは水素との化合した状態で反応性の高い状態となっているものですが、近年の研究で病気のおよそ9割もの原因であるとされ、まさに「万病の元」なのです。血液中の赤血球は活性酸素に出会うと形を変えられたり弾力を失ったりしてしまいますが、こうなった赤血球では毛細血管に入り込めず、酸素や栄養素の運搬に支障がでてしまいます。毛細血管も活性酸素により弾力を失ったりします。こうなっては各臓器細胞は十分に酸素やぶどう糖などのエネルギー源を受け取ることができず、なかには死んでしまうものさえ出てきます。活性酸素により細胞の遺伝子が損傷を受けると、細胞のガン化が始まることになります。これらの積み重ねが、あらゆる疾病として現れくるわけです。

 この活性酸素、じつは体内の免疫機能において盛んに作られています。好中球などは体内に進入した細菌などを取り込み、その中で活性酸素を放出し細菌を死滅させています。このとき余分な活性酸素は好中球から外に垂れ流しとなり、今度は正常な細胞まで傷つけてしまいます。この垂れ流しとなった活性酸素は、体内で作られるSODやグルタチオンペルキオターゼなどの酵素で中和され無害化されています。ですがSODなどの酵素は20歳をピークに減少の一途をたどり、40歳ではピーク時の約半分となり、ちょうどこのころから成人病などが増加してくる、ということになります。特にガンにおいてはその発生から増殖、転移にいたるまで活性酸素が深く関与しているようです。同時に各種ホルモンの分泌も年とともに減少してきますので、さまざまな老化現象が現れてきます。活性酸素はまた、ガンなどをやっつける重要な働きがある免疫細胞をも損傷し、よけいにガンが発生しやすくなってきます。

 「25歳はお肌の曲がり角」と言われるのも、SODなどが減少してくることにより活性酸素がうまく消去できなくなってくるため、それによりコラーゲンやエラスチンが損傷する量が増えることによる、と考えられます。紫外線殺菌も紫外線が直接細菌を殺菌するのではなく、紫外線により水分子から活性酸素が発生し、その活性酸素により殺菌が行われるのです。消毒に使われる過酸化水素水もまさにこの原理です。日焼けもある程度までは皮膚でコレステロールからビタミンDが作られるため、カルシウムの代謝(骨の形成)に役たちますが、同時に活性酸素が大量に発生し、肌細胞にこの上ない障害をもたらし、皮膚ガンのリスクも増大している、ということも忘れる訳にはいきません。

 普段の呼吸で取り込む酸素のおよそ2%が活性酸素になると言われており、激しい運動などによりさらに多くの活性酸素が生み出されてしまいます。また、ストレスによっても大量の活性酸素が作られてしまいます。もっとも深刻な事態は(虚血・再潅流傷害)といって、手術などに於いていったん血流を止めて、手術終了で再び血液を再開しますが、この再潅流時にも多量の活性酸素が作られるのです。これにより手術そのものは成功しても、再潅流時に発生する大量の活性酸素によって臓器細胞の壊死ということが起こるという問題があったのです。 

 SODなどの酵素の分泌が減少してきたときの対策ですが、一つは、SODなどの酵素やそれと同じ様な働きをする栄養素(SOD様作用食品)を摂取する。次に、SODの原料となる亜鉛、セレン、マンガンなどのミネラル(と良質タンパク質を適量)積極的に摂取することであると思います。

 ご存じビタミンAやC、ビタミンEなども活性酸素を排除してくれます。赤ワインに含まれるポリフェノール、トマトやスイカの赤い色素リコピン、お茶のカテキン、ぶどうやブルーベリーの色素であるアントシアニン、ごまのゴマリグナンなど多くの植物には活性酸素を除去してくれる物質が含まれています。植物は太陽の紫外線にさらされているため、やはり紫外線による活性酸素と戦わなければならず、その種子はまた、長い時間にわたり酸化から身を守らなければならないため、強力な活性酸素対策ができていると考えられます。

 健康ブームにのって赤ワインが人気ですが、これは赤ワインつまりぶどうの皮や種子に含まれるポリフェノールが動脈硬化を防ぐ働きがあるから、と言われています。正確には、赤ワインの成分が活性酸素を除去してくれるためコレステロールの酸化を防ぎ、血管の内壁にこびりつくアテローム(粥状突起)の生成を防ぐ、という働きがあるからです。

 この場合、カルシウム沈着による細胞の石灰化で起きる高血圧や、カリウム不足による塩分過多になって起きる高血圧にはあまり有効ではないわけです。

 赤ワインにはまた、ガンを抑制する働きがあるとされるリスベラトロースという成分や、脳を活性化させるリザーバトロルという成分も含まれているようです。

 お茶のカテキンも活性酸素の除去に働くなどの作用で、ガンの予防になるといわれています。確かにその働きがありますが、カテキンや多くのポリフェノール(フラボノイド)は人体内での生理活性はそれほど高くないことが知れています。人体内は弱アルカリ性ですが、カテキンや多くのポリフェノールは酸性環境では安定でも、人体の中性やアルカリ環境では不安定となり有効に働ける量はわずかな量でしかないのです。そのため、大量に摂取しないと十分な恩恵を傍受できないということになっています。


 身内や職場での病気の方を思うにつけ、対処療法ばかりである現実に疑問符がたくさんでてきます。予防医学という言葉がありますが、どこまで現実に我々に反映しているのでしょうか?

 いろいろな記事や有効な文献を見ますと、予防医学という言葉は耳にしますがさっぱり進展せず(?)、決して一般大衆のものになっていないという現実にいらだちさえ覚える事があります。定期検査は大切ですが、定期メンテナンスは行わないのが、今の(少なくとも今までの)健康に関する取り組みあるように感じています。検査はしますが、それで異常が分かったら今度は病院で対症療法が待っている。これでは遅すぎるときがしばしばです。

 やはり、病気を見つける検査だけではなく、予防と積極的なメンテナンスが大切であると思います。

 幸い、分子栄養学や分子矯正医学と言われるものがあり、日本では三石巌さんらがご活躍になり、外国ではロジャー・ウイリアム博士やライナス・ポーリング博士などが分子矯正医学を提唱され、ゲルソン病院などの関係医療機関では実際に高い治療実績を上げているとも聞きます。

 ここで必要なメンテナンスとは、単なる異常を見つける健康診断ではなく、普段どんな栄養素をどれだけ摂取しているかとか、運動量はどれくらいかとかいうことなどを調べ、不足していそうな栄養素を具体的に適切に指示したりして、異常箇所(病気)を未然に防ぐ、という事を望んでいるわけです。これは決して旧態依然とした今までの栄養学を言っているのではなく先端科学の分析技術により知り得た極微量元素の重要性を含めたものであってほしいと思います。

  必須微量栄養素と言われるビタミン、ミネラルの重要性の再確認、またその必要量の見直しなどを、どこか積極的に行う必要があるのではないでしょうか?



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