ガンマ-リノレン酸について



ガンマ-リノレン酸(γ-リノレン酸)について

 ガンマリノレン酸(γリノレン酸)の作用

 血糖値の低下
 高血圧の予防・改善
 血中コレステロール値を下げる
 血栓を解消し血液循環を良くする
 肥満の予防
 アトピー性皮膚炎の予防・改善
 糖尿病の予防・改善
 腫瘍の抑制
 免疫機能正常化
 各種の炎症をおさえる
 肌老化の抑制
 美肌効果
 ダイエット
 脱毛や湿疹の抑制
 皮膚炎や外耳炎などの抑制
 月経前症候群(PMS)の緩和
 女性ホルモンの分泌改善

   ...などの働きがあります。

 もう少し詳しく他の栄養素との関係を見た場合は、

EPA、DHA、ホスファチジルコリン、マグネシウムとともに脳梗塞に効果がある。
ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンU、ビタミンA、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム
 リノール酸とともに胃・十二指腸潰瘍に効果的。
ギムネマ酸、EPA、タウリン、食物繊維、、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、ユビキノン(Co-Q-10)
 クロム、マンガン、カリウムとともに、糖尿病に効果的。
糖質、カゼイン、βカゾモルフィン、グルテンペプチド(エクソルフィン)とともに痩せすぎに効果的。
DHA、ビタミンB6、ビタミンCとともにアトピー性皮膚炎に効果的。

...などの働きが期待できます。

月見草油(イブニング プリムローズオイル Evening primrose oil)

 月見草油は月見草の種子から得ることのできるの油脂で、リノール酸とγ-リノレン酸(GLA)を豊富に含んでいます。 高コレステロール症の治療や予防、肥満症の治療に高い効果があります。
 アメリカインディアンらは、この月見草油をさまざまな症状の治療に用いてきました。
 月見草は、キングス キュアオール(King's cureall:王様の万能薬)とも呼ばれています。
 イギリス、ドイツ、フランスなどではアトピー疾患者の治療に用いられています。

 月見草に含まれるγリノレン酸の働き

 血糖値の低下、血圧の低下、血中コレステロール値の低下、血栓の解消、血液循環の改善、抗腫瘍作用、PMS(月経前症候群)の改善、アトピー性皮膚炎の予防、改善など。

 γリノレン酸は、3番目に発見されたリノレン酸と言う意味であり、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)という放射線の記号と同じですが、αやβ、γといった記号は順序をあらわす意味で使われています。

 γリノレン酸は、“GLA”とも表現されています。
 γリノレン酸は、栄養素的には、アラキドン酸とともにビタミンFとして表されることがあります。

 人体において、必須脂肪酸(食品から摂取しなければならない脂肪酸)はαリノレン酸リノール酸と言われています。そして、この2つの必須脂肪酸は、体内でそれぞれ別の重要な脂肪酸に変換され、そこからさらにそれぞれ重要な生体調整ホルモンである、プロスタグランジンなどに作り変えられます。

 リノール酸は、γリノレン酸に合成され、さらにジホモ・γリノレン酸に変換されアラキドン酸になりますが、ジホモ・γリノレン酸はプロスタグランジン1の材料としてとても重要です。

 一方のαリノレン酸EPA (エイコサペンタエン酸)に、さらにはDHAに変換されます。

 しかし、最近の研究によれば、こうした脂肪酸の変換が正常に機能しない人の割合が約25%もいるということがわかってきました。さらに変換ができたとしても様々な要因で必要とするだけの量を必要とするタイミングで充分に変換することができない人がいることもわかってきています。正常に変換できない理由には、加齢や変換酵素デルタ・ディサーチラーゼの遺伝的欠落。トランス型脂肪酸、砂糖、有害化学物質、アルコールなどの過剰摂取。さらに変換に必要なビタミンB群、ビタミンC、ビオチン、マグネシウムや亜鉛といった栄養素の欠乏などの要因が考えられます。

 こうした研究結果から、人体にとっての本当の必須脂肪酸はγリノレン酸EPAであるとする意見があります。
 この2つの脂肪酸から作られる生体調整ホルモンであるそれぞれのプロスタグランジンなどには、それぞれ別の重要な働きがあります。

 プロスタグランジンには、多くの種類がありそれぞれが微妙なバランスで我々人体の各臓器の働きが営まれているのです。人体は必要によりそれらの生体調整ホルモン(プロスタグランジンなど)を合成しています。

 プロスタグランジンは原料となる脂肪酸の種類により、大きくわけて3つに分類されています。

 一つ目は、γリノレン酸から合成される“1”のグループ。
 二つ目は、
アラキドン酸から合成される“2”のグループ。
 三つ目は、
EPAから合成される“3”のグループです。

 これらは、それぞれにAからIまでの9種類あることが知られていますので、計27種類のプロスタグランジンがあることになります(A1〜A3、B1〜B3、C1〜C3、D1〜D3、E1〜E3、F1〜F3、G1〜G3、H1〜H3、I1〜I3)。これらの27種類の生体調整ホルモンが微妙なバランスで作用することによって、われわれの各臓器は正常に機能し、生命維持、健康維持を行っているのです。

 近年の食生活を見たとき、これら生体調整ホルモンの原料としての脂肪酸の摂取にかなりの過不足が見られるようになってきました。さらに、正常な変換を阻害するトランス型脂肪酸(水素添加による人工の油脂)の摂取の増加も大きな問題となってきているようです。

 現代の食事では、肉や加工食品の著しい増加、リノール酸の過剰摂取によてアラキドン酸が過剰になるケースがほとんどであると見られています。アラキドン酸の過剰は炎症を助長してしまうように働きます。アラキドン酸の過剰からプロスタグランジン2過多となり、生体調整ホルモンの乱れから、アレルギー性の湿疹、花粉症、アトピー性皮膚炎などの自己免疫疾患の増加、動脈硬化、高血圧、慢性の炎症などの疾患の増加が指摘されています。

 アラキドン酸は多くの食品に豊富に存在し、また人体内でもγリノレン酸から必要により合成されますので、過剰になることはあってもまず不足することはないと考えらます。このように考えますと、人体にとって必要な各プロスタグランジンの材料としては、γリノレン酸EPAの2つであるということが言えると思います。EPAはシソ油や亜麻仁油に豊富なαリノレン酸からも合成されますが、効率を考えた場合には、直接EPAを摂取した方がより効果的であると言えます。特に高齢の場合には、脂肪酸の変換能力も低下してしまっていると考えられていますので、余計にγリノレン酸EPAの両方の摂取が望まれると思います。

 γリノレン酸は母乳の他、月見草、ボラージ草などごく一部の植物にしか含まれていませんので、通常の食材からの積極的な摂取は事実上困難であると判断できます。

 EPAは、すじこやハマチ、きんき、本マグロのトロ、サバなどに豊富です。

 トランス型脂肪酸は、ほとんどがマーガリンやショートニングなどの人工的に作られて油脂です。
 これは、可能な限り摂取しないようにしなければなりません!

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